アール・ド・ヴィーヴル(生き方の美学)としての
コミットメント
ヴァルモンでは、企業の社会的責任はひとつの選択肢ではなく、すべての活動の基本となる重要な取り組みです。
この信念は、私たちのエコシステムの長期的な成功は環境保護と切り離せないという確信に突き動かされたもので、統合的かつ高い透明性を持つアプローチに反映されています。単なる環境リスクの管理にとどまらず、国連の2030年までに達成すべき持続可能な開発目標(SDGs)に沿った、コスメティックの卓越性に関するビジョンを提案します。
ヴァルモンのCSR(企業の社会的責任)ポリシー
私たちは、自然からの恩恵を最大限に引き出し、お肌を美しくするために努力しています。責任ある調達から、自然由来の処方、そして地域とのパートナーシップ、環境配慮型のデザインに至るまで、ヴァルモンの製品は、卓越性と環境保護を妥協することなく融合させています。
私たちは、アートと連帯を通じて、ポジティブな行動を促します。ヴァルモン財団およびパートナーの貴重な支援のもと、私たちは文化プロジェクト、アーティスト、そして感性や情動を通じて、環境意識を高めるさまざまな取り組みを支援しています。
人間の成長と環境への責任は両立するものであるという信念のもと、私たちは多様性とジェンダーバランスを尊重しつつ企業文化を育み、あらゆる才能に価値を見出します。また、ヴァルモンの気候戦略は、環境配慮型のインフラと最適化されたサプライチェーンの推進によって支えられています。
より持続可能な
製品の創出
ヴァルモンにとって、自然は単なるインスピレーションの源以上の存在。それは、創造の本質そのものです。
責任ある調達によって厳選された原材料、自然性と効果を兼ね備えた処方、そして環境負荷を最小限に抑えるエコデザイン。そのすべての選択に、ヴァルモンの「持続可能で本物のラグジュアリー追及」への揺るぎない信念が表れています。しかも、ヴァルモンの高い評判の基礎である品質に一切の妥協はありません。
天然成分を活かした処方
ヴァルモンのスキンケア製品は、ISO 16128規格に準拠した、平均85%の自然由来成分を配合しています。これは、花、葉、根など植物のあらゆる部位から抽出された固有な美容成分や、ハチミツ、プロポリス、ロイヤルゼリーといったミツバチの巣箱からの恵みに基づいたものです。私たちは、Ecocert認証を受けた親油性抽出法など、環境に配慮した技術を優先するとともに、天然資源の保護を目的としたバイオテクノロジーの革新にも積極的に取り組んでいます。自然の力を最大限に活かし、お肌にとって最良の成分を、効果を損なうことなくお届けしています。
ヴァルモンの責任ある調達
ヴァルモンの責任ある調達は、「地域性」「持続可能性」「倫理性」に根ざしたビジョンに基づいて、カーボンフットプリントの削減を目指し、ヨーロッパを中心としたパートナーシップを重視しています。
価値観と情熱を共有する人々との関係は、単なる取引ではなく、長期的な信頼関係へと発展します。その中でも、私たちのコミットメントを体現する3つの代表的なパートナーシップをご紹介します。
FLORE-ALPE BOTANICAL GARDEN(ジャルダン ボタニック フロール=アルプ):高山植物保護への情熱
スイスの自然への愛と、その豊かさを広く伝えたいという想いから、ヴァルモン創業40周年となる2025年より、シャンペ・ラックにあるアルプス植物園「ジャルダン ボタニック フロール=アルプ」とのコラボレーションをスタートさせました。ヴァレー地方の中心に位置するこの高山植物園では、4,000種を超える植物が保護・紹介されており、そのうち半数はスイスアルプスの固有種です。この貴重な自然保護区では、ヴァルモンのスキンケア製品に用いられる代表的な植物——シーバックソーン、エキナセア、ロザ モスカータ——などが紹介・保護されています。
一般公開されている園内には、一部の選ばれた植物に関する解説パネルが設置されており、自然とスキンケアの関係を学びながら体感できる、のどかな散策のひとときを提供しています。ここで紹介されている植物の多くは、ヴァレー地方のさまざまな標高にある自社アルパインガーデンで栽培されており、スイスの多様な土壌の恵みを最大限に活かしつつ、地域のノウハウを大切に継承しています。
FONDATION ARCHE DES ABEILLES(アルク デ ザベイユ財団):ミツバチ保護への情熱から生まれた情熱
ジュネーブ在住の養蜂家であり、アルク デ ザベイユ財団の創設者であるステファニー・ヴュアダンスとの協働は、単なるパートナーシップにとどまらず、深い価値観の共鳴から生まれたものです。彼女のミツバチに対する並々ならぬ情熱と、保護活動に対する揺るぎない姿勢は、ヴァルモンが掲げる「責任ある本物の調達」というビジョンと自然に響き合うものでした。「レリクシール デ グラシエ」のブランド名のもと、ヴァルモンはスイス国内の養蜂箱のスポンサーを務めています。この貴重なハチミツは、「エッセンス オブ ビーズ」シリーズに取り入れられています。
このコラボレーションは、養蜂家ステファニー・ヴュアダンスの専門的な知見のもと、ミツバチの自然なリズムを尊重した「ビーフレンドリー」な養蜂によって支えられています。彼女の哲学は、人間による介入を最小限に抑えることで、巣の持つ本来の素晴らしさを守るというものです。すべての養蜂場は、自然保護区域など厳選された環境に設けられており、ミツバチの健康と優れた巣箱由来成分の両立が可能となっています。この取り組みはさらに、地域の養蜂家を積極的に支援することで、養蜂の伝統を長期的に保存するコミュニティの育成にも及んでいます。
FERME DE NEUVIC(フェルム ド ヌヴィック):責任ある水産養殖への情熱
フランスのボルドー近郊に位置する「フェルム ド ヌヴィック」とのパートナーシップは、「エッセンス オブ スタージョン」コレクションに使用されるチョウザメDNA成分の倫理的な調達を保証するものです。2023年に「Bコープ認証」を取得したこの養殖場は、責任ある水産養殖における最高水準の実践を守り抜いています。
創設者ローラン・ドゥヴェルランジュのもと、献身的なチームが日々、生命の尊重を最優先事項として、水産養殖の卓越性を追求しています。彼らのアプローチは、長年にわたる専門知識と革新によって構築された、水資源の綿密な管理体制を基盤としています。そして、チョウザメの自然なリズムに沿った飼育環境により、魚の健康が常に最優先されています。この卓越性への情熱は、すべての工程における厳格な品質管理に結実しており、スキンケア製品に用いられるDNA抽出物の高いクオリティを保証しています。
エコデザインに基づくパッケージ
ヴァルモンにとってエコデザインは当然の取り組みであり、その実践は3つの基本原則に基づいて構築されています。環境負荷を大幅に軽減しつつ、ブランドの象徴である独自のラグジュアリー体験を維持しています。
リサイクル – 持続可能な素材の選定
100%リサイクル可能なガラスボトルを採用することで、CO₂排出量を50%削減プラスチック部品は単一素材の設計により完全なリサイクルが可能です。パッケージにはFSC認証を取得した段ボール素材を使用し、責任ある森林管理を支援しています。
削減 – 素材の最適化
2024年、ヴァルモンは紙の使用量を25%削減し、プラスチック製スプーンを廃止しました。これにより年間700kgものポリスチレン廃棄物を削減しました。さらに、パッケージのサイズも見直しました。こうした包括的な取り組みは、現状に満足せず、常に問い直し、改善を重ねていく当社の姿勢を示しています。
再使用 – ビューティ体験を再構築
メゾン・ヴァルモンのブティックでは、「ストーリエ ヴェネツィアン」のフレグランス リフィル ステーションをご用意し、ラグジュアリーの新たな楽しみ方を提案しています。また、ケースも再利用を前提に設計されており、アート作品や装飾オブジェ、洗練されたジュエリーボックスへと変身し、持続可能性と創造性を融合させています。
社会へのポジティブな貢献
私たちにとっての卓越性は、それがより美しく、より一体となった世界に貢献するものであってこそ意味を持ちます。
文化、芸術、連帯の取り組みを通じて、創造性や技術、継承の価値を広める人々を支援しています。私たちの行動一つひとつに意味をもたらす、包括的なビジョンがここにあります。
芸術活動の支援
現代アートはヴァルモン財団を通じて独自の形で息づきます。各展覧会は、現代的な課題への意識を高めつつ、あらゆる形態の美を称賛しています。その拠点となるのがヴェネツィアのパラッツォ・ボンヴィチーニ。創造と社会問題、美学とコミットメントとの対話が繰り広げられ、新進気鋭のアーティストから名高い作家まで、それぞれが世界観を共有する場となっています。こうした芸術的アプローチは、The Elegant Symmetry of the Gorilla(ゴリラの優雅な対称性)など、ヴァルモンによる国際的巡回展にも息づいています。この展示では、段ボールの断片を組み合わせたモジュール状のゴリラのアイボの彫刻を通して、アートと環境意識との完璧な調和が描かれます。
クラフツマンシップを支援
卓越した職人技の継承と促進は、ヴァルモンの創業以来の基盤をなすもの。その情熱はムラーノ島に息づき、マスターガラス職人レオナルド・チモリンとのコラボレーションにより、「ストーリエ ヴェネツィアン」のボトルを彩る仮面が誕生しました。アリスティド・ナジャンによる「ブルーオデッセイ」や、「ラ カンテッサンス デ グラシエ」に使用された、オルソーニ・ヴェネツィア1888工房の伝統的モザイクなど、すべての作品は、それぞれの物語を語りかけます。
また、アート鋳造やジュラ地方の繊細な木工細工まで、他にも数多くの伝統技術とコラボレーションし、責任あるラグジュアリーの新たな表現として、クラフツマンシップに新たな光を与えています。
地域に根ざした持続可能なプロジェクト
レジデンス・ヴァルモンは、ただの閑静な隠れ家ではありません。私たちにとっては、環境保護と持続可能なプロジェクトの推進に積極的に関与するための貴重な拠点です。それぞれのレジデンスは、その土地ならではの文脈に即した取り組みを展開しています。
ヒドラ島:海洋保全へのコミットメント
エーゲ海に浮かぶヒドラ島では、地元のダイバーや団体との連携により、海中清掃プログラムを実施しています。この取り組みは、地中海の海洋汚染への意識を高め、生態系を守ることを目的としています。ヴィラ・ヴァランティーヌ・レジデンスでは、厳格なプラスチックゼロポリシーを導入し、この活動をさらに後押ししています。
ヴェルビエ:地元のイノベーションで環境責任に貢献
スイスのヴェルビエでは、エコデザインスキーの専門ラボ「First Track Lab」とのパートナーシップを通じて、スポーツ用品の環境負荷を見直す革新的なアプローチを実践しています。自然資源への尊重を基盤にして、製品設計のあり方そのものを考え直しています。
ヴェネツィア:自然と文化遺産の再生
ヴェネツィアでは、ジュデッカ島にある壮麗なレデントーレ教会に隣接する16世紀の歴史的庭園「レデントーレ庭園」の再生プロジェクト「ヴェネツィアにおける救世主の庭園」に積極的に貢献しています。この象徴的な庭園に養蜂箱を設置し、生物多様性と受粉を支援しています。
また、ヴァルモン財団が本部を構えるパラッツォ・ボンヴィチーニでは、ペットボトルの廃止により、年間17.5kgのプラスチック使用を削減するなど、実質的な成果を上げています。
地域社会への貢献
ヴァルモンでは、地域社会に直接的かつ測定可能なインパクトを与える取り組みを支援することが不可欠だと考えています。こうした貢献活動は、各地の課題に応じたグローバルな連帯ネットワークとして展開されています:
• アメリカ:One Drop for the Planet(ワン・ドロップ・フォー・ザ・プラネット)と協力し、アメリカにおける節水活動を支援しています。
• ヨーロッパ・中東:BeeLife(ビーライフ)およびBeekeepers Foundation(ビーキーパーズ ファウンデーション)と協力し、ヨーロッパおよび中東のミツバチの生態系を支援しています。
• アジア:Kids Earth Fund(キッズアースファンド)を通じ、困難な状況にある子どもたちを支援しています。
このような取り組みの根底には、「責任ある企業は、地域社会の福祉に貢献し、未来の世代のために資源を守らなければならない」という私たちの信念があります。
模範的な企業を
目指して
卓越性は、模範を示すリーダーシップなしにはありえません。
この信念こそが、日々の実践を問い直し、チームに力を与え、生物多様性を守る原動力となっています。2025年に稼働予定のコンテイの新ロジスティクス拠点は、そうした統合的なアプローチを具現化した施設で、エコ設計、持続可能なモビリティ、エネルギー効率に配慮しています。これらの戦略的な選択は、家族的な価値観と卓越性の追求に忠実でありながら、変化を促す責任ある企業を築くという私たちのコミットメントを示しています。
人材ポリシー
ヴァルモンの人材ポリシーは、「インクルージョン(包摂)」と「才能の育成」という強い価値観に根ざしています。ヴァルモン本社では、69%*が女性社員で構成され、18歳から55歳以上までの幅広い世代がともに働いています。これは、多様な経験と視点の融合から卓越性が生まれるという私たちの信念を反映しています。
この多様性が私たちの創造力を刺激し、イノベーションの能力を強化します。専門知識と個人成長を組み合わせた研修プログラムにより、あらゆる才能が活躍できる職場を育んでいます。ワークライフバランスは単なる理念ではなく、私たちが日々実現している現実です。
カーシェアリングの推進やEV車用充電ステーションの設置といった持続可能な移動手段の促進を通じて、より責任ある未来づくりに貢献しています。
気候への取り組み
ヴァルモンは、輸送手段のあり方を根本から見直し、長年のパートナーであるPlanzer社と共同で「Plaval」という革新的な物流事業体を立ち上げました。この取り組みは、鉄道輸送を優先する独自のソリューションであり、最新鋭のマルチモーダル拠点へと生まれ変わったコンテイ拠点を基盤としています。
また、輸送におけるCO₂排出の主要因である航空輸送の削減を目指し、日本通運やDSVといった業界リーダーとの提携により海上輸送の拡大にも注力しています。
コンテイ拠点では、すべての要素が持続可能性へのコミットメントを体現しています。
• 太陽光パネルによるクリーンエネルギーの創出
• 効率の限界を追求した次世代断熱材
• マルチモーダル設計による環境負荷の低減
こうした取り組みの成果として、2024年には前年比でCO₂排出量を8.4%削減。スイスや上海などの地域では、最大30%の削減という顕著な成果を達成しました。これはまだ始まりに過ぎません。私たちは、さらなる削減の方法を日々探り続けています。
生物多様性の支援
高山植物やミツバチの巣箱からの恵み――私たちが用いるすべての天然素材は、製品の源である貴重な生態系を守る責任を私たちに思い出させます。
中でも、ミツバチの保護はその象徴的な取り組みです。世界の食糧作物の75%以上の受粉に関わるミツバチは、自然のバランスを支える重要な存在ですが、現在その数は著しく減少しています。この深刻な問題に対し、ヴァルモンは世界各地の4つの主要団体と協力し、ミツバチの生態系全体を守る包括的なアプローチを構築しました。
1.スイスに拠点を置くFondation Arche des Abeilles(アルク デ ザベイユ財団)と連携し、次世代への教育活動を推進しています。
2.BeeLife(ビーライフ)との協力のもと、環境のモニタリングを通じてその保護を強化しています。
3.中東のBeekeepers Foundation(ビーキーパーズ ファウンデーション)を通じて養蜂の知識を共有しています。
4.北米のPollinator Partnership(ポリネーター パートナーシップ)と連携し、受粉の研究支援を通じてイノベーションを推進しています。